法律、施行令

国税徴収法

第三章 第二次納税義務

    • 第二十七条から第三十一条まで 削除
  • (第二次納税義務の通則)
    • 第三十二条 税務署長は、納税者の国税を第二次納税義務者から徴収しようとするときは、その者に対し、政令で定めるところにより、徴収しようとする金額、納付の期限その他必要な事項を記載した納付通知書により告知しなければならない。この場合においては、その者の住所又は居所の所在地を所轄する税務署長に対しその旨を通知しなければならない。
    • 2 第二次納税義務者がその国税を前項の納付の期限までに完納しないときは、税務署長は、次項において準用する国税通則法第三十八条第一項及び第二項(繰上請求)の規定による請求をする場合を除き、納付催告書によりその納付を督促しなければならない。この場合においては、その納付催告書は、国税に関する法律に別段の定めがあるものを除き、その納付の期限から五十日以内に発するものとする。
    • 3 国税通則法第三十八条第一項及び第二項、同法第四章第一節(納税の猶予)並びに同法第五十五条(納付委託)の規定は、第一項の場合について準用する。
    • 4 第二次納税義務者の財産の換価は、その財産の価額が著しく減少するおそれがあるときを除き、第一項の納税者の財産を換価に付した後でなければ、行うことができない。
    • 5 この章の規定は、第二次納税義務者から第一項の納税者に対してする求償権の行使を妨げない。
  • (無限責任社員の第二次納税義務)
    • 第三十三条 合名会社又は合資会社が国税を滞納した場合において、その財産につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、その社員(合資会社にあつては、無限責任社員)は、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。この場合において、その社員は、連帯してその責めに任ずる。
  • (清算人等の第二次納税義務)
    • 第三十四条 法人が解散した場合において、その法人に課されるべき、又はその法人が納付すべき国税を納付しないで残余財産の分配又は引渡しをしたときは、その法人に対し滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合に限り、清算人及び残余財産の分配又は引渡しを受けた者(前条の規定の適用を受ける者を除く。以下この項において同じ。)は、その滞納に係る国税につき第二次納税義務を負う。ただし、清算人は分配又は引渡しをした財産の価額の限度において、残余財産の分配又は引渡しを受けた者はその受けた財産の価額の限度において、それぞれその責めに任ずる。
    • 2 信託法(平成十八年法律第百八号)第百七十五条(清算の開始原因)に規定する信託が終了した場合において、その信託に係る清算受託者(同法第百七十七条(清算受託者の職務)に規定する清算受託者をいう。以下この項において同じ。)に課されるべき、又はその清算受託者が納付すべき国税(その納める義務が信託財産責任負担債務(同法第二条第九項(定義)に規定する信託財産責任負担債務をいう。)となるものに限る。以下この項において同じ。)を納付しないで信託財産に属する財産を残余財産受益者等(同法第百八十二条第二項(残余財産の帰属)に規定する残余財産受益者等をいう。以下この項において同じ。)に給付をしたときは、その清算受託者に対し滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合に限り、清算受託者(信託財産に属する財産のみをもつて当該国税を納める義務を履行する責任を負う清算受託者に限る。以下この項において「特定清算受託者」という。)及び残余財産受益者等は、その滞納に係る国税につき第二次納税義務を負う。ただし、特定清算受託者は給付をした財産の価額の限度において、残余財産受益者等は給付を受けた財産の価額の限度において、それぞれその責めに任ずる。
  • (同族会社の第二次納税義務)
    • 第三十五条 滞納者がその者を判定の基礎となる株主又は社員として選定した場合に法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第二条第十号(同族会社の定義)に規定する会社に該当する会社(以下「同族会社」という。)の株式又は出資を有する場合において、その株式又は出資につき次に掲げる理由があり、かつ、その者の財産(当該株式又は出資を除く。)につき滞納処分を執行してもなお徴収すべき国税に不足すると認められるときは、その有する当該株式又は出資(当該滞納に係る国税の法定納期限(国税に関する法律の規定による国税の還付金の額に相当する税額を減少させる修正申告又は更正により納付すべき国税並びに当該国税に係る附帯税及び滞納処分費については、その還付の基因となつた申告、更正又は決定があつた日とし、過怠税については、その納税義務の成立の日とする。以下この章において同じ。)の一年以上前に取得したものを除く。)の価額の限度において、当該会社は、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。
      • 一 その株式又は出資を再度換価に付してもなお買受人がないこと。
      • 二 その株式若しくは出資の譲渡につき法律若しくは定款に制限があり、又は株券の発行がないため、これらを譲渡することにつき支障があること。
    • 2 前項の同族会社の株式又は出資の価額は、第三十二条第一項(第二次納税義務者への告知)の納付通知書を発する時における当該会社の資産の総額から負債の総額を控除した額をその株式又は出資の数で除した額を基礎として計算した額による。
    • 3 第一項の同族会社であるかどうかの判定は、第三十二条第一項の納付通知書を発する時の現況による。
  • (実質課税額等の第二次納税義務)
    • 第三十六条 滞納者の次の各号に掲げる国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、第一号に定める者にあつては同号に規定する収益が生じた財産(その財産の異動により取得した財産及びこれらの財産に基因して取得した財産(以下この条、次条及び第三十八条(事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務)において「取得財産」という。)を含む。)、第二号に定める者にあつては同号に規定する貸付けに係る財産(取得財産を含む。)、第三号に定める者にあつてはその受けた利益の額を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。
      • 一 所得税法第十二条(実質所得者課税の原則)若しくは第百五十八条(事業所の所得の帰属の推定)又は法人税法第十一条(実質所得者課税の原則)の規定により課された国税 その国税の賦課の基因となつた収益が法律上帰属するとみられる者
      • 二 消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第十三条(資産の譲渡等を行つた者の実質判定)の規定により課された国税(同法第二条第一項第八号(定義)に規定する貸付けに係る部分に限る。) その国税の賦課の基因となつた当該貸付けを法律上行つたとみられる者
      • 三 所得税法第百五十七条(同族会社等の行為又は計算の否認等)、法人税法第百三十二条(同族会社等の行為又は計算の否認)、第百三十二条の二(組織再編成に係る行為又は計算の否認)若しくは第百三十二条の三(連結法人に係る行為又は計算の否認)、相続税法第六十四条(同族会社等の行為又は計算の否認等)又は地価税法(平成三年法律第六十九号)第三十二条(同族会社等の行為又は計算の否認等)の規定により課された国税 これらの規定により否認された納税者の行為(否認された計算の基礎となつた行為を含む。)につき利益を受けたものとされる者
  • (共同的な事業者の第二次納税義務)
    • 第三十七条 次の各号に掲げる者が納税者の事業の遂行に欠くことができない重要な財産を有し、かつ、当該財産に関して生ずる所得が納税者の所得となつている場合において、その納税者がその供されている事業に係る国税を滞納し、その国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、当該各号に掲げる者は、当該財産(取得財産を含む。)を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。
      • 一 納税者が個人である場合 その者と生計を一にする配偶者その他の親族でその納税者の経営する事業から所得を受けているもの
      • 二 納税者がその事実のあつた時の現況において同族会社である場合 その判定の基礎となつた株主又は社員
  • (事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務)
    • 第三十八条 納税者がその親族その他納税者と特殊な関係のある個人又は同族会社(これに類する法人を含む。)で政令で定めるもの(以下「親族その他の特殊関係者」という。)に事業を譲渡し、かつ、その譲受人が同一とみられる場所において同一又は類似の事業を営んでいる場合において、その納税者が当該事業に係る国税を滞納し、その国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、その譲受人は、譲受財産(取得財産を含む。)を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。ただし、その譲渡が滞納に係る国税の法定納期限より一年以上前にされている場合は、この限りでない。
  • (無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務)
    • 第三十九条 滞納者の国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合において、その不足すると認められることが、当該国税の法定納期限の一年前の日以後に、滞納者がその財産につき行つた政令で定める無償又は著しく低い額の対価による譲渡(担保の目的でする譲渡を除く。)、債務の免除その他第三者に利益を与える処分に基因すると認められるときは、これらの処分により権利を取得し、又は義務を免かれた者は、これらの処分により受けた利益が現に存する限度(これらの者がその処分の時にその滞納者の親族その他の特殊関係者であるときは、これらの処分により受けた利益の限度)において、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。
    • 第四十条 削除
  • (人格のない社団等に係る第二次納税義務)
    • 第四十一条 人格のない社団等が国税を滞納した場合において、これに属する財産(第三者が名義人となつているため、その者に法律上帰属するとみられる財産を除く。)につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、その第三者は、その法律上帰属するとみられる財産を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。
    • 2 滞納者である人格のない社団等の財産の払戻又は分配をした場合(第三十四条(清算人等の第二次納税義務)の規定の適用がある場合を除く。)において、当該社団等(前項に規定する第三者を含む。)につき滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められるときは、当該払戻又は分配を受けた者は、その受けた財産の価額を限度として、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。ただし、その払戻又は分配が滞納に係る国税の法定納期限より一年以上前にされている場合は、この限りでない。